求人倍率が上昇しています。7月度の求人倍率は1.52倍になり、1974年2月以来の高水準となりました。これはバブル期よりも高い水準です。

就職率の高い、ある工業高校では、単独の求人倍率が8倍になったそうです。8倍です!

私が高校生の時は「就職超氷河期」と言われ、商業高校であったのにもかかわらず、求人倍率が0.98倍と言われていました。

しかし、私はいくら求人倍率が上昇しようと下降しようと、「採用活動においてはあまり影響がないのでは?」と感じています。

なぜなら…

求人は白馬の王子様を待つだけでいい?

それは、多くの企業はまだまだ「求人しかしていないから」です。

なぜ、求人を出しても応募が来ないのか…?これは「求人倍率が高い」という理由以上の原因があります。

それは、多くの会社は「待ちの求人しかしていない」ということです。

「求人を出しただけで終わってしまっている」会社がほとんです。求人を出して、後は待つだけ。誰かいい人応募して来ないかなぁ…と、まるで白馬の王子様を待っている状態です。

何としてでも、自社の存在を知ってもらう、求人を見てもらう、興味を持ってもらう、そして応募をしてもらう。

そういった、人材の採用を成功させるための「攻めの採用活動」をしていない会社がまだまだ多いと感じています。

採用活動を成功させる土台

多くの人は、自分の目線で採用活動をしています。「~だろう」そういった「先入観」や「決めつけ」、「思い込み」が相手との距離を遠ざけているのです。

求職者が、どんな気持ちで仕事を探そうとしているのか、普段何を見て、どういう行動を辿っているのか?何に対して疑問や不安を感じ、何を希望しているのか?

そういった相手に気持ちに立たないと何をやってもうまく行きません。

採用活動は技術

人材採用は「総務活動の一部」。人材育成は「現場の従業員の仕事のついで」。

つまり、まだまだ兼業として人材採用や人材育成業務を行う。そういった捉え方をしている会社がまだまだ多いです。

これが、人材採用や人材育成を失敗させている大きな原因だと私は感じています。

仕事を受注するには営業活動が必要でありトップセールスマンが必要です。品質の高い「ものづくり」やサービスを提供するためには、熟練した専門技術が必要です。

なのに人材採用活動や育成活動においては、なぜか「業務の一部」としか捉えられていません。

「どうすれば見込のある人材を採用できるのか?」「どうすれば会社の戦力として成長してくれるのか?」そういったアプローチを行うには生半可な知識や経験だけでは成り立ちません。

人材採用も人材育成も「1つの職種」として専門的に活動すべきだと感じています。

採用力と育成力

仕事や働き方に対する意識が大きく変わりつつあります。そして、これから労働力として必要とされる若者達の「働き方」の意識も昔とは大きく違います。

人員補充の為だけに求人を出せば応募が集まり、現場に放り出しておけば勝手に育つ。変わりはいくらでもいる。そういう時代は終焉しました。

いかに見込のある人材を確保し、会社の戦力して育成させていくか?

そういった採用力と育成力が、これからの会社に問われてきますし、それができる会社が、これから生き残っていくのではないでしょうか?