さて、今回の内容は若干長くなりますが、とても大切なことを伝えたいと思います。

私自身、求人活動をする時に、特に気を付けてやっている「求人・採用活動をする時についやってしまう過ち」について、です。

今の人材不足という状況の中で、この過ちを知らないままに求人をしても、きっと恐らくずっと、人材を採用することは難しくなるかもしれません。

逆に、この過ち、というか考え方を正しい方向へと導くことができれば、きっと求職者は、あなたの会社に注目してくれる確率が上がりことになります。

ということで、最後までお付き合いお願いします。

最悪の世代

いきなりですが、時を20年以上戻して話しをします。

私が高校を卒業する頃、世間では「就職超氷河期」と言われていました。本当に就職口が少なかったんですね。

私が通っていた高校は、就職口が多いはずの商業高校であるのにも関わらず、その高校の単独の求人倍率は1倍を下回っていました。

就職口が少ないとうことで進学を選ぶ人も多く、私自身も、お金も無いのにやむなく進学を選択した1人です。進学して卒業する頃には求人状況も改善されているだろうという考えですね。

でも、全く高卒求人が無かったわけではありません。「社会人野球に参加するなら採用してやる」という条件付きだったり(私自身、野球部に属していましたので)、10万円ちょっとの給料なら…、といった会社が多かったのです。

「それって正社員!?、、いや、アルバイトでもそれくらい稼げるぞ。」

そんなことを嘆いていた記憶があります。

これから社会人になるであろう人には、まさに「最悪の世代」と言われていたのです。

高校を卒業して就職した人達には、入社しても教育という文字はなく、会社から容赦なくコキ使われ、「こんな不景気なんだから、気に入らなかったらいつでもクビにしてやるぞ」と、そんな雰囲気さえあったと聞きます。

一生にあるかないかの求人

そんな最悪の世代の該当者であった私ですが、22歳を超えた頃でしたでしょうか。ある1つの求人に出会います。

それは某大手楽器メーカーの求人でした。実は昔、音楽をやっていまして、大阪にある音楽系の専門学校にも通っていました。電子楽器の開発に携わりたかったのです。

しかし、当時は本当に不景気で(大阪市内や、駅構内にはホームレスで溢れかえっていたくらいですから…)、正社員募集が少なくアルバイト求人ばかり。

自分が就職できるような先と言ったら、契約社員での就職が限界。やむなく楽器店で契約社員として(と言いながら、ほぼアルバイト扱いでしたが…)働いていた矢先の「求人募集」だったので、今でも興奮していたことを覚えています。

採用するか不採用かの分かれ目。そのたった1つの質問とは

しかし、採用枠は1人。応募者は100名超え。応募倍率100倍以上。

就職難の中での憧れの会社の求人。そらそうなりますわな。

書類選考で10人までに絞られ、1次面接で3人までふるいにかけられ、2次面接で採用者が決まる。そんな流れでした。

そんな中、偶然か運命か、たまたま書類選考が通り、1次面接を受けられることになったのです!

「もうこれは自分のための求人ではないのか!?」「俺以外に、誰が入社するのか!?」

調子に乗っていた私は、そんな大きな勘違いをします(笑)。

そして1次面接に挑みます。面接官は5人以上だったのを記憶しております。

「音楽が好きという情熱は誰よりもある!」その意気込みさえ伝えれば何とかなる!そう思い挑みました。

ところが、そんな情熱もあっさりとかわされる1つの質問を受けました。

それは、、

もし、当社があなたを採用したとしましょう。当社にどんな恩恵があるのでしょうか?

という質問だったのです。

当時、情熱と勢いさえあれば大丈夫!だと思ってい私は、その問いに明確に答えることができませんでした。

「音楽に対する想いは誰にも負けません!」確かそう伝えたのですが、

それはわかるけど、あなたの持っている情熱だけでは会社にメリットはありませんよ。誰でも情熱はあるからね。

そうあっさりと言われ、撃沈したのでした。

今思えば、面接することのスキル、戦略の至らなさもありましたが、実は「音楽に対する情熱や想い」と言いながらも、、

実際のところは「安定」や、大企業で働いていることの「優越感」や「見栄」が先行していて、それを面接官に見抜かれていたのかもしれませんね。

つまり、「会社に対してどんな貢献ができ、どんな利益をもたらすことができるのか?」ということは全く考えず、「自分の都合だけの応募だったな」と痛感しています。

では、時を現代に戻し、本題に入りたいと思います。(次ページへ

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